「こんなに歌詞に意識を向けて曲を聴いたのはいつ以来だろうか…」
ヨルシカの新曲『晴る』を聴いてると、ふとこう思った。元々、ヨルシカの曲はどれも誌的であり、文学的で美しいものが多いが、今回の曲はその趣をより強く感じる。
個人的に好きな曲は『春泥棒』と『アルノージャン』の2曲。何故好きかというと、メロディの良さもさることながら歌詞の深みが凄いから。だが、このふたつに引けを取らないぐらいに、今度の歌詞にも心を強く惹かれた。通勤中などに何度も聴くのだけど、なにか意識してるわけでもないのに、心がギュッとして不意に涙が出そうになる。
堪えて、今度は歌詞を見ながら聴いてみると、その随所に散らばる日本語の美しさに「やっぱヨルシカは凄いよ…」と、感じた。
特に凄いと思ったのはこの部分の歌詞。
目蓋を開いていた
貴方の目はビイドロ これは1番の歌詞だが、2番になると、
目蓋を開いている
貴方の目にビイドロ となる。
これを目にした時、
「くァっ~~~~!助詞ィ~~~~~~~ッッ!!!!!最ッッッ高!!」
と、心の中で絶叫した。本当に日本人で良かったなと、日本語万歳。
そして、助詞の凄さと言えば、『やが君』の単行本帯を思い出す。
『やが君』1巻の帯では「私を好きな、私の先輩。」なのが、最終巻になると「私の好きな、私の先輩。」へ変わるけど、これを始めた見た時、言葉では言い表せないほどの感動を覚えた。いやもう…(言葉が続かない)という具合に。
こういう、わずか1音で全く異なる情景を表現できるのは、本当に日本語だからこそだと感じたし、感動を覚えずにはいられない。